2012年10月21日

笑っている里父になろう!

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今日は、新宿にある東京児童相談センターで講演しました。

養護が必要な子どもを自宅で育てている里親さんたちへの支援をセンターは行っていて、今日はその当事者団体の「NPO法人東京養育家庭の会」からのオファー。「学習会で特に里父(養育家庭のお父さん)向けに講演して欲しい」というものでした。

なので内容は、いつもFathering Japanで行っている父親向けの講演内容とほぼ同じ。演題も先方の希望で「笑っている父親になろう!」でした。

センターの相談スタッフに聞けば、最近は里親家庭も「共働きが増えて」きて、父親(里父さん)の存在、育児・家事協力が欠かせなくなっている、また一般家庭と同様に「母親(里母さん)の育児ストレスも高まっている」とのことでした。やはり子育て家庭における情況は、どのような関係であろうとパラレルなのですね。

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学習会には10家庭ほどが参加。ほとんどご夫婦連れでした。

70代の方から40代までいらっしゃたので、僕の(ファザーリングの)話も少々受け止め方は違ったようですが、お母さんたちはいつもと同様に強い賛同をいただき、お父さんたちからも「自分はいままでできてなかったことが多かったけど、確かにそういうこともあるよね。参考になりました」と、概ね理解をいただきました手(チョキ)

学習会終了後は、交流会も開催。僕も同席させてもらいました。

養育家庭もさまざまですね。里親をもう20年近くされてる方もいれば(実子3人・里子4人)、里子と自立後に養子縁組された方、片や40代のご夫婦は子どもを授からなかったので里親として登録し現在委託を待っている方も来てました。それぞれ事情は違うのですが、社会的養護の受け皿が弱い日本において里親さんとして「がんばって子どもを育てたい」という皆さんには本当に頭が下がります。

またお話の中では、課題も見えてきました。
例えば、里子も施設と同様に18歳で養育家庭から自立するのですが、その後も心配でその後の学費や生活費を支援する方もいる。でもその頃、里親さんも年金生活になっていて経済的に困窮している、といったこと。また子どもが18歳~20歳のときに「健康保険」の空白時期が出来て困った、などの話も聞きました。

「タイガーマスク基金さんは、児童養護施設の子の自立支援と書いてらっしゃるけど、ぜひ里子にも支援をお願いしますね」

と、里親さんにお願いされ、僕としても「基金が知名度を上げ、寄付(財源)が拡充すれば将来的にはどの環境の子どもにもサポートはしていきたい」と思いましたし、逆に国にも教育費の減免や、そもそも家計負担が強すぎる日本の子育てや教育に関するコストを、未来の人財に投資するつもりで、国がもっと負担していくべきだ、ということを政府に言っていこうと思います。

でも今日は普段接することがない里親の方々とお話ができ、僕らタイガーマスク基金としても勉強になりました。国の方針でも「家庭的養護の推進」つまり里親を今後増やしていく方針なので、施設や自立援助ホームだけでなく、里親家庭における養護にも関心を持ち、養育家庭の会の方たちとも連携しながら、すべての子どもたちが笑顔になるような活動をしていきたいと思います!(3月にはセンターで絵本ライブやるかも!)

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今日は僕の50歳のバースデーでした。子どもたちが講演中にホットケーキを作ってくれて、「お誕生日の人はこれね」と持ってきてくれました。これまでで最高のバースデーケーキになりましたわーい(嬉しい顔)

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2012年10月15日

第5回勉強会レポート

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10/10(水)にタイガーマスク基金 勉強会#5「施策の最前線に聞く~社会的養護の課題と将来ビジョン」を開催しました。

国の今後の方針である「施設の小規模化」→「家庭的養護の推進」について知り、それについていろいろな視点から意見を聴き、新たなる課題も見えてきました。

グループホーム、ファミリーホーム、里親への移行においては良い面もあれば、①養育者の担い手不足 ②職員の多忙化 ③養育者・職員への教育や精神的ケア などが問題になるのではと意見が出てました。

また当事者団体からの要望では、小規模化に限らず、養護のシステムにおいて、①「自然なやりとりにして欲しい」 ②「子どもが納得できる基準・指標を示してほしい」 ③「ルール作りなどの運営に、子どもも参加させて欲しい」などの基本ニーズ(素朴な要望)があることも分かりました。

課題解決の答えは、その実現も含めなかなか一朝一夕には見い出せませんが、今回こうして大きな流れ(国の考え方)を知り、一人一人が「それで本当に子どもたちは幸せになれるのか」を考える機会になったことはよいことだと思います。

この日、最終的に登壇者・参加者間でコンセンサス取れた点としては、

「社会的養護は、一部の子どもの問題ではなく、社会の問題であって、市民レベルで地域一体となって取り組んで行こう!」

というもの。タイガーマスク基金がその巻き込みメインエンジンとなれるよう、僕らも精一杯取り組んでいこうと思いました。

さて今回の勉強会はテーマがちょっと堅かったせいか、当初参加申込みの出足が鈍かったのですが、フタを開けてみれば今回の満員の65名が参加。支援関係者のみならず一般の会社員、学生、育休中のママ(赤ちゃん同伴で)まで来てくれました!

事後にいろいろアンケートで参加者の皆さんから感想もいただいているので、ここで紹介しておきます。

●あらためて社会全体で取り組むべき問題と感じました。

●当事者の声を聞く機会は以前にあったが、行政の取組みを知るのは初めてであった。とても新鮮であった。里親になる方たちの問題意識をぜひお聞きしたい。

●色々な立場の方のご意見を伺えて有意義な時間を過ごすことができました。小規模化、里親推進の理念と現実のギャップについてもう少しつっこんだお話しをうかがえたらと思いました。

●「子どもに罪はない」ということの大切さ。地域でも活動していきたいと思います。

●渡井さんが言っていたこと、すべてうなずくことばかりです。里親の支援(幅広い意味)でお願いしたいです。

●同じ年齢でも、居る立場で、受けられる支援が違うことに驚いた。

●養護関係の予算(要求)額は900億円。一方同じ社会保障関係費の一つである年金は54兆円。医療は35兆円。このギャップをどげんとせんといかんと思いました。

●渡井さんお話しは当事者ならではの視点からの大変分かりやすい丁寧な説明で、どのような支援が求められているのか理解することができました。大鶴課長のお話しからは行政の取組みをしっかり考えてくださっているのだと分かり安心いたしました。恒松さんのお話しも具体的で大変勉強になりました。

●たくさんの課題が残っていてとても深い話だと知りました。

●児童相談所の実情をもっと知れるといーなと。すべてのキーなので!

●貴重なお話しをありがとうございました。それぞれの立場の方々の意見を聞けて色々参考になりました。政策については賛同はしますが、現場、地方公共団体へとつないでいくうえでの相互の関係性にずれがあるのかなとも少し感じました。

●「施設は人なり」と言われます。仕組みの改善が大きく求められますが施設の職員に求められるものについて、お話しの随所に入れていただいたことでよい学びにつながりました。関わる人材の育成と教育に関しては課題であることを再認識しました。ありがとうございます。

●現場の声、色々な立場の方の実践的な話が聞けてよかったと思います。

●初めて参加しました。知らないことがこんなにたくさんあったのかーという思いです。自分なりにできることを、これから探していきたいと思いました。

●予備知識がなく参加しました。現状、問題点、今後の話などいろいろためになりました。

●厚生労働省の方と社会的養護の最前線でご活躍をなされている方たちが質疑応答していくのが、この場でしか聞けない、貴重な体験だった。もっともっと大学にもインフォメーションしてほしい。

●人生の先輩方々のお話しを聞くことができ、これから私も児童福祉に貢献できる人材になりたいと思いました。

●大変勉強になりました。小さい会場でパネリストの方の忌憚のないコメントが伺えて、熱意や苦しい思いを、会場内で共有することができたと思います。ボランティア先の施設で、高校に通いきれず中退して、退所していく子どもたちや、小中学生の、愛情を求めてボランティアに飛びついてくる子どもたちを見ています。お話しの中にもあったように、同じ課題がずっと解決されない状況で、勉強会や交流会に出るより、自分のボランティア内容を考える方が有意義なのでは…と思うこともありましたが、本日、市民の声が力を持つということを伺って、自分が出るよりも、人を誘って、知ってもらうことも重要と思いました。

●ありがとうございました。いろいろな人たちの意見を聞けてよかったです。これから社会人になっていくにあたり、考えることをやめずにいきたいと思いました。

●子どもたちが抱えさせられているものが多いというお話し、とても共感しました。まだ学生の身ですが、辛い思いをしている子どもたちを何人も見てきて、何ができるのだろうかと悩んでいるところです。今はもう大人になってしまった子どもたちや、今まさに「子ども」を送っている子どもたち、そしてこれから生まれてくる子どもたちが生きていきやすい世の中になるとうれしいです。

●市民の声をあげることが大切だと皆さんが強調されました。本当にそうだと思います。まずそこからお手伝いしたいと思いました。

●児童養護施設についての予備知識がない中での参加でしたが、次回も参加させていただければと思います。自身の仕事が全く異分野ですが、自身の時間で何ができるか、どのような関わり方ができるか、行動に移してみます。

●初めて勉強会に参加しました。国の今の課題や方針、現場の課題、さまざまな視点からお話を聞くことができて良かったです!「子どもたちのために何ができるのか」今、私たちができることを声を上げていかなければ社会は変わっていかないと実感しました。私も微力ながら声を上げていきたいと思いました。次の勉強会もぜひ参加したいと思います。

●前回に引き続き勉強させていただきました。中にいた時には分からない活動に、今後の期待をしています。私もできることはやっていこうと思います。

最後にパネルディスカッションに登壇いただいた方々からのコメントも紹介しておきます。
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大鶴 知之氏(厚生労働省家庭福祉課課長)
「この問題をまったく知らなかった、など一般の方の率直な意見があり役所の努力不足も分かり参考になりました。今後ともよろしくお願いします」

渡井 さゆり氏 (社会的養護の当事者参加推進団体「日向ぼっこ」理事長)
「様々な方と出逢うことができ、私もエネルギーを充電させて頂きました。今後とも、社会的養護の社会化に向け、どうぞよろしくお願い致します」

恒松 大輔氏(自立援助ホーム「あすなろ荘」ホーム長・タイガーマスク基金理事)
「今回の学習会には多くの方が参加してくださり本当にありがとうございました。虐待や児童養護施設という言葉はテレビ等でも良く聞くようになりましたが、その実情はなかなか理解されていません。こういう学習会に参加していただき、その実情を知り、それを皆に伝え知ってもらう。それが誰もができる支援の第一歩だと思います。今回の学習会の話を周りの方に伝えてください」

中村 久美氏(児童養護施設「福田会東京本院」元施設長・タイガーマスク基金理事)
「今回の勉強会には社会に出て活躍する児童養護施設の退所者が4名参加されておりました。当日は同じ施設で共に暮らした2名が偶然にも、いや必然でしょうか23年ぶりに再開されました。『過去は変わらないけれど未来は変わる』という事を実証して下さっている施設を退所した皆さんの力は大きいと感じました。これからもっともっと社会的養護という言葉が当たり前になるように、タイガーマスク基金を通じて活動していきたいと思います」


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2012年10月02日

24年度タイガー給付プロジェクトがスタート!

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タイガーマスク基金では昨年度に引き続き、児童養護施設および自立支援ホームを退所する子どもが四年制大学へ進学する際の支援金を、そして退所児童の自立を支援する法人への給付を目的とする給付事業を今年度もスタートしました!NEW 締め切りは2012年12月10日です。

★受給資格など詳細はこちら⇒ http://www.tigermask-fund.jp/howto.html

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右斜め上新パンフレットをご希望の方は事務局( info@tigermask_fund.jp )までご連絡ください。

ちなみに昨年度の実績は、寄付金総額が8,658,449円。退所児童22名、支援団体16法人へ支援いたしました!
★23年度給付報告⇒ http://www.tigermask-fund.jp/report_h23.html 

右斜め下
今年度も「タイガー給付プロジェクト」の財源は、皆さまからの寄附金を充てます。

「自分の子どもだけが幸せな社会などない」
「施設等で暮す子どもたちの未来を応援したい」


と思う皆さん(個人・法人)の志をお待ちしてます。

★寄付はこちらからexclamation×2(クレジット募金あり)
⇒ http://www.tigermask-fund.jp/about.html

寄附いただいた一人一人の方が子どもたちにとっての「タイガーマスク」ですぴかぴか(新しい)

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2012年09月26日

学生タイガーの鋭い視点

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今日の午後は事務所で、大学生から卒論のための取材を受けました。

やって来たのは日本社会事業大学の学生(写真)で、テーマは・・・

『虐待予防における夫婦関係 ~父親の妻と子どもに対する思いと育児参加の関係性』

直球ドマンナカなテーマだったので受けまして、わが家の育児や夫婦関係の変化を、根掘り葉掘り訊かれました。(復習になるなあ)

Q&Aを終えたあと、「何でこのテーマなだったの?」と訊くと、

「子ども虐待のニュースをみる度に何故、夫婦で防ぐことができなかったんだろう?母親がやってしまうケースで父親は一体何をしてたんだろうと思うので、それを、つまり父親の妻子への関わりや心情を調べて研究したいなと」という答え。

それは僕が、Fathering Japanや子ども虐待の根絶を目指すタイガーマスク基金を立ち上げたときの疑問と同じでした。

こうやって学生が、これから親になるであろう世代もこの問題を受け止め、なんとかしたい!と考えている。

負けてられないなあ。僕ら大人もしっかりこの問題をとらえて、すべての親が笑顔で子どもを育てられる社会を次世代のためにも構築しないと、と強く思いました!

彼女は大学4年生。訊けば今は保育士を目指しているそうで、

「併せて社会福祉士の資格も取って社会的養護の志事にも就きたいんです」と言ってました。

意気投合したので今後タイガーマスク基金にもいろいろコミットしてくれるようで、この若い人材をタイガーで活かしていければと思いました。まずは卒論の出来が楽しみです!また遊びに来てねexclamation
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2012年09月24日

タイガーBAND結成!

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昨日は、たまプラーザにサテライトスタジオがあるFMサルースへ。お昼の情報番組に生出演しました!

一緒に出たのは、『home』という曲で紅白歌合戦にも出た歌手の木山裕策さん(写真右)。木山さんは4児の父親で以前からFJ繋がりで知り合いだったのですが、タイガーマスク基金の理念に共感いただき、今度一緒に「タイガーBAND」を結成し、メインヴォーカルカラオケを務めてもらうことになりました!

タイガーBANDでは、歌を通して社会的養護の問題を広報・啓発しながら、自治体や学校などで定期的にチャリティLIVE を行っていく予定です!

番組のパーソナリティでキャリア教育支援のコーディネーターを務める香月よう子さん(写真中央)も、「小学校や中学校ででチャリティライブやりましょう!」と乗り気でした。楽しい展開になりそうでするんるん

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Twin Guitarで。




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2012年09月22日

世界の情況①ドイツ編

9/16-20はドイツ・ベルリンへ出張飛行機

2年前にも呼ばれた日独シンポジウム(atベルリン日独センター)に発表者として参加して来ました。

今年のテーマは「家庭と職業の両立を図る――今の政治の課題」。
ワークライフバランスを基底に、日本では立ち遅れている、いわゆる「時間政策」や「男女の雇用均等」「ダイバーシティ」(単身家族等の多様性への理解と包摂)について、みんなで考えるというシンポです。

僕は1日目の第3セッションで「父親と祖父、父子家庭、学生への支援」というテーマでFathering Japanの取組をプレゼン、多くの共感を得たように思えます。

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しかし僕としてはせっかくなのでドイツの社会的養護についてもちょっと調べようと思って、本シンポのコーディネーターでもあり、家族法を専門とする筑波大学の本澤巳代子教授(写真)、シンポで先生の「家庭内における暴力・虐待に対する日本の立法と対策の特徴――科研費研究「11ヶ国比較研究」の結果報告」という興味深いプレゼンを聴いたあとに質問しました。

聴くところによるとドイツは社会的に困っている子どもへの支援意識が政府だけでなく、市民の意識も高く、養護施設もあるが「養子縁組」(里親)も進んでいるとのこと。そういえば熊本の病院で始まった「赤ちゃんポスト」はドイツが先行事例。「赤ちゃんポスト」に預けられた子どもについては、少年局等の公的機関及び民間の認可事業者による養子縁組斡旋によって、可能な限り養子縁組が成立するような体制が整えられているようです。

翻って日本では「赤ちゃんポスト」や乳児院で保護された子どもが、里親や養子縁組に至るシステムが十分に整っているという話は聞いたことがないけど、どうなんだろうか。

そもそもは「赤ちゃんポスト」が使われなくても済むようにすることが大事だと思うが、ドイツは現在では、「赤ちゃんポスト」は「望まない妊娠をして困難な状況にある母親」に対する最終手段として位置付けられており、加えてカウンセリングや母子支援施設の充実等、困難な状況に陥っている母親への支援策を充実させる方向らしい。

日本でも、母親等に対する妊娠・出産に関する相談体制の充実はもちろんのこと、望まない妊娠をさせ
ないという意味で、主に若年層への性教育や緊急避妊法による避妊教育等を行っていくことも大事だと思う。

またドイツはそもそも子どもを含め国民全体に寄附文化の土壌が強く、さまざまな基金が有効的に機能しているとも聞いた。根っこにキリスト教があるからだろう。幼稚園でも園児が家で使わなくなったおもちゃを持ち寄り、施設や途上国に贈る(送る)習慣が普通にあるのだとか。やはり小さい頃からのこうした教育や習慣が大事だよなあ。

一概に日本とは比べられないが、ドイツにも少子化や、出産育児期における新生児遺棄や家庭内暴力や虐待ももちろんあるそうで、それを乗り越えるためにさまざまな施策を打ち出している。

2006年にはドイツ家族省(連邦家族高齢者青少年女性省)が主導となって、これまでの手厚い児童手当の支給を中心とする育児支援から、家庭と職業の両立支援を中心とする包括的な家族政策への転換が示されている。新しい家族政策は、再配分政策(有子家庭の経済的負担への支援)、インフラ政策(保育制度等の整備)、時間政策(両親が子どもとともに過ごす時間の確保)の3つの柱を軸とするものであり、地域や企業における子育て支援への取組みがそれを補強している。

家族形態の多様化や家族機能の変化に対応して、政府の強力な主導のもと、性別役割分業に基づく家族観からの脱却が図られようとしている(『ドイツの新しい家族政策』)。

こうした「総合的な家族政策」が末端で起きている虐待や家族間暴力などの問題を予防する大きな装置になっているのだろう。日本も場当たり的な対応ばかりでなく、こうしたトータルでロングテールな政策の立案・施行が求められるはずで、タイガーではそこを追求してみたい。

夜

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さてシンポジウムが終わって翌日、帰国のフライトまで時間があったので、西ベルリンの町にある「多世代の家」(写真上)を視察訪問した。

これもドイツの家族政策の一環、★包括的な家族支援:「多世代の家」と「家族のための地域同盟」の実績。
移民問題を抱えるドイツは「家族に優しい社会」の構築を目ざして地域における世代を超えた包括的な子育て支援のモデル事業を推進してきている。そうした中で、地域における取り組みとして代表的な事業が、「多世代の家」と「家族のための地域同盟」なのだ。

この地域の90%を占めるトルコ系の移民やクルド人などがドイツ社会に定着するため、生活を安全なものにする社会的援助の拠点として州政府が作った施設。市民間の交流や市民活動のエンパワーメントが目的。提供するサービスは、日本と同様な保育(託児)から親子支援の各種プログラムがありますが、高齢者やホームレスのデイケアもというダイバーシティ施策だ。

括目すべきは、子育て支援やボランティアセンターの役割を担いながら父親と地域の子ども、高齢者と幼児など家族や世代を超えて交流できるコミュニティとなっている点。つまり日本でもあるコレクティブハウスのようなものをポジティブな移民政策・家族政策のモデルとして運営をしているのだ。

今後、シングル世帯が増え、人口が減り高齢化していく日本にとっても示唆を感じた。 FJやタイガーマスク基金の活動の参考にもしたいと思っています!

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シンポ登壇者の先生たちと、多世代の家で。
このネットワークを大事にして今後もドイツはじめ、他国の社会的養護や家族政策について学んでいきます。

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2012年09月14日

自販機で、あなたもタイガーマスクに!

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タイガーマスク基金では、社会的養護が必要な子ども・若者の自立支援に必要な資金を広く一般から寄付を募っていますが、企業とのタイアップもいろいろやっています。

昨年はセーブオンというコンビニチェーン企業と連携、タイガーマスクキャンペーンを組み、売上の一部を基金に寄付いただきました。

今年もいろいろ考えてますが、まずはサントリーグループペプシコーラ販売とのコラボレーションで、売上の一部が基金に寄付される【募金対応型自動販売機】をクリエイション!いま、設置をお願いできる企業や個人オーナーの方を募集しています!

※募金までの流れはこちら(PDF)⇒ http://www.tigermask-fund.jp/pdf/suntory.pdf 

「うちのオフィスで設置したい!」

「職場の、自宅前の自販機をタイガーデザインに変えたい」

という方は、お気軽に info@tigermask-fund.jp までお問い合わせください。

直接的な支援や多額の寄付はできないものの、こういう形で児童養護施設などを巣立つ子どもの自立を応援したい方は多いと思います。

またタイガー自販機で水やジュースを買うことで、誰でも手軽に社会貢献ができますね。

また自販機は、街角のメディア。社会的養護の問題を広くアピールする(子どもたちに教える)上でも、タイガー自販機は有効なので、ぜひご検討ください。

お問い合わせ、お待ちしてますexclamation

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2012年09月07日

タイガーマスクも「悪役」だった~児童虐待事件増加に思う

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今年上半期(1〜6月)の児童虐待の摘発件数が過去最多の248件(警察庁発表)との報道があった。
http://mainichi.jp/select/news/20120906k0000e040151000c.html?inb=tw

12人の児童が死亡(0歳児は5名)。摘発の約7割(175件)は身体的虐待、次いで性的虐待68件、ネグレクト(育児放棄)5件。

また昨今は親からの暴言や、子どもの前で配偶者間で暴力をふるったりする心理的虐待は、上半期だけで昨年同期比約6割(1374件)増の3634件確認され、児童相談所に通告されたそうだ。でもこれは氷山の一角だろう。子育て支援の仕事で全国を回っていると、そう実感する。

新生タイガーマスク基金の事業は、社会的養護が必要な子ども・若者への自立支援が主だが、一方で目的(ミッション)に掲げているのが、「子ども虐待の根絶」。

「なんとかしなくては!」と改めて思う。

個人的には、もはや「啓発」「厳罰化」「通報の義務化」だけでは難しいのではと考える。無論、水際問題としてそれも必要だが、もっと川上(かわかみ)で洪水を防ぐこと、具体的には、親になる予定の人(プレパパ・プレママ)への理性的な子育てを指導、あるいは学生期などもっと早い段階での家族形成力を教育していくなどが川上の予防対策として有効だと思う。

また現に虐げられる子どもの背後には経済的に困っていたり、孤立化して精神的に追い詰められている親が必ずいる。そんな彼らをただ責めたり、「親の自覚・責任を持て!」「母親なんだからがんばれ!」などと上から言っても、既に弱っている人には届かないと思う。虐待寸前の人に必要な支援はほかにあるはずだ。

ではどうすればいいか?

おそらく日本社会全体に余裕がなく、人々がストレスフルで暴力的な行為が増えていることが主原因だと思うが、だとしたらもう一歩、意識を進めて、「児童虐待は社会の病理」と捉え、一人一人が「ソーシャルインクルージョン」の意識と行動を取ることだと私は思う。

ソーシャルインクルージョンは、「全ての人々を孤独や孤立、排除や摩擦から援護し、健康で文化的な生活の実現につなげるよう、社会の構成員として包み支え合う」という理念で、イギリスやフランスでも、ソーシャルインクルージョンが一つの政策目標になっている。

日本語では「社会的包摂(ほうせつ)」。簡単に言えば貧困や生活困難に陥っている人を孤立・排除するのではなく、社会で包み込んで護ってあげるということ。それが児童虐待の予防にも有効だと私は考える。

例えば、それぞれのフィールド(地域や職場)などで支援のネットワークを創り、困っている大人(親)をその支援の輪(コミュニティ)に入れ、気づき・共感・繋がり・喜び・自己肯定感の獲得…そんな場を提供していくということだ。(長年やってきたファザーリング・ジャパンの父親支援事業は、夫婦関係クライシスや父親による虐待・DVの予防に繋がっていると自負している)。

しかし生活困難といっても背景や事情はそれぞれ複雑。虐待の形態も乳幼児への虐待だけでなく、中高生への教育虐待などもあり多様だ。

なので、それぞれの親の立場に立った支援、それぞれの課題に沿ったキメ細かい​指導やカウンセリング等の支援が必要。そして頑なに閉ざされた親の心の扉をノックする有効な情報伝達手段を確立することが肝心だ。

その方向性で僕らには何ができるか?

貧困からの脱却は経済の回復が特効薬だが、不確定でまだ時間がかかるだろう。震災以降、被災者の家庭危機の度も高まっている。だから政治や行政任せではいけない。市民一人一人がソーシャルインクルージョンな意識をしっかり持って、一人一人が自らタイガーマスクとなって、寄付行為だけでなく包摂的な行動を起こしてほしいと願う。

タイガーマスク基金は、そんな有志の皆さんが活躍できる場や機会を提供できる「プラットホーム」でありたいし、そのための事業をいま準備中。また虐待のニュースが珍しくなくなり、人々が慣れてスルー​しがちな情況もなんとかしたいと思っており、近々、児童虐待をテーマ一般向けに勉強会を企画しています。

そう、タイガーマスクもかつては「悪役プロレスラー」でした。

でも「ちびっこハウス」の子どもたちと接するうちに「大事なこと」に気付き、身についた悪役スタイルと正統派でありたい意識の中で長く葛藤しながらも人間的な成長を遂げ、反則技を使わないレスラーに変身。子どもたちやファンや社会に受け入れられるようになったのだ。

児童虐待を根絶する必殺技はまだ分からないが、活動を続けることによって、困っている人、困ったことに陥りそうな親がもう一度笑顔になれるチャンスがある社会を構築したい。

タイガーマスク基金で働く僕らも、社会の一員として、フェアプレーで正々堂々、この問題に向き合っていきたいと思っていますexclamation

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(C)梶原一騎・辻なおき/講談社・東映アニメーション





タグ:児童虐待
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2012年09月05日

タイガー勉強会、次回は10/10に開催!

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タイガーマスク基金の勉強会を東京で開催します。

今回は基本情報として、「小舎化」や「里親を増やす」など、社会的養護の国(厚生労働省)の方針(仕組みの見直し)を担当官に分かりやすく説明してもらい、みんなでそれを考え、それぞれの支援活動に結び付けていくという目的です。

このブログでも紹介した「日向ぼっこ」理事長の渡井さゆりさんにも登壇していただき、ビジョンを語っていただきます。

『隣る人』など観て、関心を高めている皆さんの参加をお待ちしていますexclamation

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■タイガーマスク基金 勉強会#5
 「社会的養護の課題と将来ビジョン ~施策の最前線に聞く~」
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虐待をはじめ様々な事情で親と生活できない、社会的に養護が必要な子どもたち。

現在、その9割が児童養護施設などの「施設養護」、1割が里親やファミリーホームなどの「家庭的養護」のもとで暮らしています。国はこれを、今後十数年かけて、施設の小規模化(グループホーム)の推進や、里親、ファミリーホームの比率を増やす方針を打ち出しています。施設、家庭的養護、それぞれにメリットもデメリットも指摘されていますが、大切な「子どもの立場から」という視点も忘れてはなりません。

今回のタイガーマスク基金勉強会では、施策の最前線として、厚生労働省の家庭福祉課から新しく担当課長になられた大鶴知之さんと、自身も児童養護施設で暮らした経験があり、同省で社会的養護の課題に関する検討委員会の委員もしている渡井さゆりさんをゲストに迎え、国の向かう方向性や、課題解決に向けたビジョンなどを伺います。

・日時:2012年10月10日(水)18:30~20:30(18:00~受付)

・会場:さわかみ投信株式会社 会議室
    〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町6-12 紀尾井町福田家ビル2階
     http://www.sawakami.co.jp/company/access.html

・登壇者:大鶴 知之氏(厚生労働省家庭福祉課課長)
     渡井 さゆり氏(社会的養護の当事者参加推進団体「日向ぼっこ」理事長)
     中村 久美氏(児童養護施設「福田会」元施設長・タイガーマスク基金理事)
     恒松 大輔氏(自立援助ホーム「あすなろ荘」ホーム長・タイガーマスク基金理事)
     ※登壇者は都合で変更になる場合があります

・参加費:500円(資料代+お茶代)

・申込み方法: 氏名(所属)、連絡先を書いてメールかFAXで基金事務局にお申込みください。
       メール tiger@fathering.jp FAX 03-6902-1695

・主催: タイガーマスク基金事務局、ファザーリング・ジャパン

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2012年08月31日

タイガーたちのしゃべり場

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8/26に理事と事務局で運営委員会を開催しました。

会場は紀尾井町のさわかみ投信セミナールーム。理事のお一人、澤上会長が「どんどん使って!」と無償貸与していただけるので助かってます!

この日の運営委員会では、24年度の給付事業の詳細が決定。HPやリーフレットを更新し、9月には概要をリリースする予定ですので、しばらくお待ちください。

また僕の方から、「社会的養護の社会化」のための新規事業もプレゼンし、概ねコンセンサスが取れました。こちらも詳細を詰めて10月には情報リリース、事業説明会を東京や大阪で開催したいと思います。

NPO法人認証までまだ4ヵ月ありますが、タイガーらしい事業の準備を着々と進めて行きます!

さて、タイガーマスク基金ではこうして理事や関係者が定期的に会い、顔を合わせ、想いや意見をぶつけ合うことを大事にしています。このことはFathering Japanでも経験しましたが、NPOの事業推進とガバナンスには欠かせません。

またタイガーのいいところはメンバーの多様性。社会的養護の専門家(職員)もいれば、子育て支援、若者支援、ホームレス支援、子ども虐待防止など各NPOの中心メンバーや企業人もいます。

このダイバーシティなパワーがどう結実させるか、どんな化学反応が生まれるか? そこも楽しみながら、この志事に取り組んで行きたいと考えています!

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話は尽きず、2次会は居酒屋へ。



posted by ando-papa at 07:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

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