昨日は東京で7回目のタイガーマスク基金勉強会でした。
朝、雪が降り風も強かったので集客が心配でしたが、キャンセルは1名のみで当日参加も含め44名が集まりました。今回もスーツ姿の男性や当事者(かつて施設で暮していた方)も来てくれました。
テーマは、「子どもシェルター~今夜帰る場所がない子どもたちがいることをご存じですか?」
1部では、子どもたちが緊急に逃げ込むための子どもシェルター『カリヨン子どもの家』を運営する社会福祉法人カリヨン子どもセンターから理事長で弁護士の坪井節子先生をお迎えして、子どもたちが抱える様々な問題や取り巻く現状、シェルター活動の今後の課題についてお話しいただきました。
坪井先生のトーク・講話はリアリティを迫力を伴い、参加者はみな釘付けになっていました。
十数年まえに弁護士としての子ども人権救済活動の現場から見えてきたもの。「子どもの人権とは何か?」を突き詰めて考え、そこから「子どものシェルターが欲しい!」という夢を抱き、それが数年後多くの人の支援・協力(スクラム)によって実現していった過程の話は、圧巻でした(ロックです!)。
また会場には「子どもシェルター」の存在について「初めて聴いた」人も多く、福祉の網(制度)からこぼれ落ちてしまう子どもたちの存在(18歳で社会に出される、子ども達が退所後に抱える問題、また施設が満杯で本来、保護されるべき子が利用出来ていない問題など…)、さらに裕福な家庭で起きている「教育虐待」などは自分の家でも起こる可能性があるのでは?という想像力を、参加者は持ち得たと思います。
また先生は今後の課題として、
①子どもシェルター全国ネットワークの展開(まだ全国で8箇所しかない)
②ハーフウェイホームの設立(就学も就労もできず、入院もできない子どもたちがゆっくり育つ場所)
③少年院を仮退院し、家庭に戻れない子どもへの対応
を挙げられていました。どれも問題意識の共有と、より多くの人の支援と協力が必要でしょう。
それを受けて第2部では恒例のグループトーク。3班に分かれてそれぞれ感想やこのテーマに関して「自分が何が出来るのか」について発言・話し合っていただきました。
僕は、先生のお話に出てきた(ご著書『子どもたちに寄り添う』にも登場する)、かつて問題を抱えていた16歳の女性が坪井先生に出会い、「信頼できる大人がいるんだ」「私は生きていていいんだ」と、再生して笑顔になっていく姿を想像して、「タイガーマスク基金の仲間たちで、子どもシェルターができないかなあ」と、ぼんやり考えていました。
言うは易し!であるならこれから勉強しネットワークを広げていかなければならないと思うけど、とりあえず言い続けようかな。
「微笑みが咲く場所、子どもシェルターを一緒に創りませんか?」と。
<勉強会・参加者アンケート:感想>
・現場の話を全く知らなかったので、圧倒されました。
・みなさん本当に熱心に語られ、すごく心に響く勉強会だと思った。
・「大人同士がスクラムを組むこと」が印象に残りました。
・初めての参加ですが来てよかったです。
・カリヨンの活動は以前から知っており、話をききたいと思っていた。
・現実を知り、勉強になるとともに、坪井さんの突破力あふれるお話に元気をいただきました。
・いろんな方が、いろんな思いを持っている・・・それがわかるグループディスカッションでした。
・これからもがんばってください。
・初めて参加しましたが、とても良かったです。ありがとうございました!
・坪井先生のお話、大変参考になりました。
・初参加ですが、とても有意義な一日でした。ありがとうございました。
・簡単に感想が書けないくらいの重いものも受け取ったけど、でも善意の大人たちが連携していくことの希望にも出会えました。
・とても充実していた内容でした。感謝します。
・貴重な場をありがとうございます。
・参加させていただきとてもよかったです。
・個人的に中高生の女の子の問題に心を寄せているので、お話に胸が詰まり、グループディスカッションの際に、色々な子の顔が浮かび泣いてしまいご迷惑をかけました。
・子どもたちが、シェルターがあることを知らなかったり、過去の経験からそういう所へ繋がりたがらない現実に、大人の様々な形での受け手が必要と感じています。
・私もたった一人でも信じてくれる大人、愛情を注いでくれる大人がいたら、それを頼りに生きていけると信じています。
・坪井先生の情熱と温かさに励まされました。もっと、じっくりお話を伺いたかったです。
・埼玉在住なので、埼玉シェルターの設立の動きに注目していきたいです。
・こどもが一対一でおとなが遊ぶ場、楽しい場を大切につくっておられる坪井先生たちの取り組みも印象に残りました。
・以前児童養護施設の職員の方が言った「ここや保護所へ繋がった子どもはまだいい。外にはどこにも繋がれない、すぐにでも助けなければならない子ども達がまだいるんです」という言葉を思い出した。
・坪井先生の子ども達の命を守りたいたいという情熱と、あなたにどこまでも寄り添うという温かさと大きな愛に、圧倒され励まされた。
・話に出てきた子ども達の現状は厳しいものではあったけれど、子ども達が駆け込める場所が広がっていく事に嬉しく思う。
・子どものシェルターが必要な社会であることが現実だ。
・自分と繋がった子ども達とは待ちの姿勢でこれからも繋がっていこうと思う。
・熱意のある皆さんと時間を共有でき、有意義な時間でした。
・講演もグループトークも、ほんとに心に刺さるし、考えさせられる。
・募金付きマスク購入させていただきました♪
・虐待を受けた子どもたちの厳しい現実とともに、虐待の連鎖を断てる可能性も見えた気がします。
<参加者アンケート:今後取り上げて欲しい内容や講師についての要望>
・社会的養護が必要な子どもへの心理的援助のあり方について。
・地域で子どもの居場所を運営している方のお話をききたい。
・自立援助ホームや支援を行っている団体の方のお話をききたい。(以前に取り上げられているが、参加できなかったので、同じテーマでも繰り返し実施して欲しい。)
・厚労省、児童相談所などの行政機関の立場からのお話。
・里親制度を広めるために、里親さんにお話をして欲しい。
・当事者の方が、それぞれが育ったところでの話をききたい。(里親、施設など。)
・施設でボランティアをしている人の話。(どんなボランティアがあるのか?、何をしてるのか?知らない人が多いと思うので。)
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