2012年08月16日

コンビニ弁当の正しい食べ方~ホーム出身の若者とのダイアローグ

昨夜は、SNSで知り合った自立支援ホーム出身の若者J君と会いました。

J君は現在22歳。小さい頃に父親と死別。母子家庭で生活していたが、母親が仕事などで家を空けることが多く生活がままならなくなり児童養護施設へ。その後は自立援助ホームでの生活を経て、一人暮らしへ。がんばって高卒認定も取って進学、今では都内の大学(夜間部)で社会福祉を学ぶ大学生です。

SNSでの発言がしっかりしていたので会ってみたくなり、連絡したところ「OK」との返事だったので、大学から近いところの居酒屋で、夕方にJ君と待ち合わせました。

最初のうちは緊張していたみたいですが、ビールを飲みながらあれこれ話すうちに僕に対する警戒心も解けたようで、家族のことや施設やホームで暮したときのこと、そのとき疑問に思ったこと、いま大学で学び考えていること、現行の社会的養護への支援や社会福祉の制度の不備に対する憤り、そして自分の将来ビジョン(社会福祉の仕事に就くこと)について、J君は結構 熱く語ってくれました^^

彼の事はほとんど何も知らなかったので最初は僕からも「質問」が多くなってしまいましたが、聴いて事情は理解できたし、彼が過去に拘らず未来を向いて生活や勉強している姿勢に好感が持てたので、胸襟を開きながら話をさらに聴きました。なんか対話してるうちに、J君のことが会社の「後輩」のように思えてきて、僕も自分のこと(自分はなぜこの仕事をしてるのか、とか、会社ってこんなところ、っていう話など)を経験談を踏まえてたっぷり話しました。参考になったかな?

また、こんな会話もありました。

「一人暮らしで、毎日バイトと学校みたいだけど、ご飯はどうしてるの?」と訊くと、
「まあ、コンビニとかで適当に。」という答え。

「僕も忙しいときはコンビニ弁当とかあるけど、あれをそのまま食べちゃいけない。自宅だったら、ちょっと洒落た皿に盛りつけて、冷蔵庫からトマトとか出して切って添えるといい。その方が美味しそうに見えるし、食欲も湧くだろう?それが食事を“楽しい時間”に変えることだし、それが人間らしい生活だと思うんだよね」と伝えました。

「ああ、なるほど」と彼も分かっているようでしたが、おそらくかつて居た家庭や施設などではそうした余裕がなかったんだろうと想像できるし、若いと食欲が美的感覚に勝ってしまい、すぐ弁当に喰らいついてしまうのだとうと思う(自分も若い頃はそうだった)。

でも「暮らし」ってそういうちょっとした創意工夫が大事で、それ次第で生活に彩(いろどり)や季節感が出るし、人の営みはそういう「贅」や「粋」がなくては味気ないものになってしまうし、気持ちにゆとりが生まれない、元気が出ないと思うのです。

NPO化するタイガーマスク基金の新事業では、支援金の給付だけでなく、こうして若者に1対1で向き合い、ご飯食べながら生活のこと、仕事のこと、人生のことなどで有効な助言が出来たり、彼らにとってロールモデルとなるような「おじさん」「おばさん」的なサポーターを増やす、という仕組みを考えています。

そんな構想をJ君にも話したら、「それいいと思います!」という返事でした^^/

そして、これからの支援について、

「僕らへの『かわいそう』という視点は怖い」と言っていたJ君。

「そうだよな。タイガーマスク基金の活動理念もさ、“可哀想だから”支援するのではなく、人生の楽しさや可能性をきみたちに直接伝えて、シアワセな方向に導いていきたいんだよね。きみたち若者は貴重な“人財”なんだから」

と言ったら、ニッコリと笑顔を返してくれました。

昨夜はJ君と知り合えて、たくさん食べて、飲んで、話して、僕にとっても楽しい3時間でした。

「また会っておしゃべりしような。なんかあったら、遠慮しないで連絡くれよ」と、言って握手して別れました。

地下鉄の階段を降りるJ君の後ろ姿が、ちょっと元気そうに見えました 夜


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※写真はイメージです







posted by ando-papa at 11:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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