2012年08月10日

信頼できる大人になろう~タイガーマスク基金勉強会in関西レポート

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一昨日(8/8)は、大阪ドーンセンターにてタイガーマスク基金・勉強会を初めて関西で開催しました!

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会場には当初の予想を超える約70名の方が集まりました手(チョキ)

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1部の前半は、社会福祉士の田辺哲雄さんが講演。自らのグループホームでの住み込み経験を基に施設で暮らした子どもたちが退所後も自信を持って生活できる環境づくりに取り組んでいる方です。

<テーマ>「もっと…児童養護施設を知ってほしい」

田辺さんは、厚生労働省HPにもある「児童養護施設入所児童等調査結果の概要」(平成20年2月1日現在)のデータを基に、施設の現状と課題について話をしてくれました。

・全国の児童養護施設在所者数:31,593人
・入所時の平均年齢:2歳
・平均在所期間:4.6年
・入所理由(1位):母の放任・怠惰 3,707人(11.7%)
・ 同(5位):父の虐待・酷使 1,849人(5.9%)
・大学進学希望者:25.7%
などなど。

田辺さんは「入所理由は重層化・複雑化している」と言い、肝心なのは「数字だけを見るのではなく、『なぜ、こうなってしまうのか?』を想像して欲しい」と繰り返し、述べられていました。

でも前向きなデータもありました。

<子どもたちの将来の希望>
・早くもとの家庭へ復帰したい:37.7%
・早く結婚して落ち着いた家庭を作りたい:42.0%
・施設を出て、自分で生活することに自信がある:男子36.7%、女子25.6%


タイガーマスク基金ではここを、この子どもたち・若者たちの希望を現実のものにすべく、総合的な支援をしていかねばなりません。

そして田辺さんは、最後に支援者のスタンスや支援のあり方、そして児童養護施設のこれからの使命についても言及されました。でも終了後には「今回は、ごくはじめの段階しかお話し出来ていません。まだまだ伝えたい事はたくさんあります!」と。また勉強会やりましょう!田辺さん。

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後半は、社会的養護の当事者エンパワメントチームCVVから、二人の女性が施設生活の経験談を語ってくれました。

参加者の多くは「知らなかった話」を神妙に受けとめていた様子でしたが、彼女たちの雰囲気・口調とも努めて明るく、会場はさほど重い空気にはならず、皆しっかり聴き学ぶことができました。CVVの皆さん、ご苦労さまでした!

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そして2部は、パネルディスカッション。

僕からは、今後のタイガーマスク基金の事業プランを話しましたが、終了後には「基金なので、お金の給付だけかと思っていたけど違うんですね」「これまでバラバラにあった支援を結ぶプラットホームになる可能性が、タイガーにはありますね」と言っていただき、概ねご理解いただいたようで安心しました。またCVVのお二人や会場からもアドバイスや質問ももらい、こちらもより企画を深め、事業を練ることができそうです。

そして最後に、「参加者の皆さんにメッセージを」とのことだったので、僕が述べたのは…、

「支援活動は大事。でも、その前に我々ひとりひとりが、子どもたちから信頼される大人になるよう努力しましょう」ということ。

社会的養護の当事者たる子どもたちは親に見放され、社会からも偏見の目で見られているから、ほとんどの大人を信頼していないように思います。

誰だって周囲に荒んだ大人しかいなければそうなるし、TVをつけても責任逃ればかり考えてる大人しか出てこなければ、大人に社会に絶望し、自分が大人になることに希望を見い出せないのではないでしょうか?

だから僕はまず自戒を込めて、「信頼できる大人になろう」と、大人にも若者にも言いたい。

「安藤さんの『信頼できる大人になろうと行動することが大切​』という言葉に共感」
「信頼できる大人になれるような行動に努めます!」

勉強会の参加者が自身のFacebookなどでこう書いてくれてたので、少しは届いたかなと思いますわーい(嬉しい顔)

そう、しっかり自分の人生を生きている、社会にコミットしている、そして子どもを大切にする笑顔の大人を増やすことも、この問題の根本解決に繋がっていくと、僕は思うのです。

さて今回の勉強会。関西の児童養護施設経験の当事者である若者たちや、社会的養護に関心の高い人々と僕もたくさん繋がることができ収穫大でした(写真は交換した名刺)。参加者の皆さん、登壇者の方々、運営で尽力してくれたFJ関西のメンバーに感謝しますぴかぴか(新しい)

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関西での勉強会は初開催でしたが、これを「はじめの一歩」とし、タイガーマスク基金をプラットホームとして関西圏における支援ネットワークを強化し、この問題に立ち向かう西のロッカーを増やし、連携していこうと考えてます手(グー)


posted by ando-papa at 10:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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