タイガーマスク基金をNPO法人化するにあたって、事業理念と目的、それに伴う事業を整理してみました。
<事業理念>
タイガーマスク基金は、児童養護施設出身の子ども(若者)に、生活自立、学業、就労、家族形成、社会参画などの支援を総合的に行い、社会で活躍する人材を育成するとともに、広く一般にこの問題を提起し、施設や自立援助ホーム等が抱える課題、係る法律・政策の改善、ひいては児童虐待予防の啓発事業などを展開し、この問題の根本解決を図ることを目的とするNPO法人である。
・・・・・
基金なので昨年度と同様に自立支援金の給付事業は続ける予定ですが、社会的養護が必要な子ども・若者に「可哀想だから支援をする」のではなく、基本的な考え方は…、
「人生の可能性と楽しさを伝えたい」
ということ。
特に施設を退所した18歳以上の若者には大人同士として接し、彼らが自立するための「幸福への戦略」を一緒に練り考え、寄り添ってそのプロセスや育ちを共に楽しみたいと思うのです。
具体的には
<子ども・若者支援事業>
①寄附を募り自立支援金を給付する事業(対象:本人、児童養護施設、自立援助ホーム等)
②NPOとの連携→ 学習支援、職業訓練、家族形成力養成、社会貢献体験等
③企業と連携→ 雇用確保・人材育成
④一般サポーターの育成と若者支援モデルの構築
などを実施していきます。これらを行うためには僕らだけでなく、多様な支援者のネットワークが必要なので、志を共にする皆さんの協力・協働をお願いします!
またタイガーマスク基金の仕事としては、児童養護施設のこと(子どもの情況、地方間格差など)や、子どもの退所後自立における問題点を、広く一般に報せることも重要だと考えています。
<広報・啓発事業>
①セミナー・勉強会・シンポジウム等の開催
②メディアを活用した広報PR活動
③学びと出会いの場づくり(ソーシャルカフェ、タイガーBAND 等)
これらはFJも得意としたところなので、今後いろいろ仕掛けていきたいと思ってます。
さらに社会的養護や若者支援の分野は、日本はまだ政策やそれに伴う財政基盤が海外に較べても脆弱なので、これらを構造的に解決するため、永田町や霞が関への活動も大事と考えます。
<制度、法律の改正改善に向けての事業>
①ロビイング活動、議員連盟の立ち上げ促進
②政策提言(施設・援助ホーム等の環境整備、助成制度、若者支援、保証人制度等)
そして最後に、我々はこの問題を根本解決するために必要なのことは、
「子ども虐待のない社会をめざすこと」
と考えるので、そこにも踏み込んで、子どもが生まれる予定の人や、子育て中の家庭を包括的に支援していく仕組みづくりをして、これ以上施設に入る子を増やさないための活動もしていきます。
<児童虐待の予防・啓発事業>
①オレンジリボン運動や自治体、関連団体との連携による親向けセミナー等の開催
②学校等における若年層への周知・教育
以上、これら理事会で承認された事業方針は活動をしていく中で変化していくこともあるでしょうが、当面、先に掲げた事業理念の下、この4本柱の事業を展開していこうと考えています